ソムリエインタビュー 辻裕子さん

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今回のソムリエインタビューは辻裕子さん

辻さんがイタリアに来たきっかけは、Accademia dell’olio のオリーブオイルソムリエ養成コースを受ける為に、昨年の秋49期生として来伊しました。

そして猛勉強をして晴れてソムリエの資格を取ったは良いが、その後忙しさにかまけて教科書を閉じたままになっていたそう。一緒に来ていた旦那様は夢実現の為に、単身ピエモンテのワイナリーへ。

裕子さんも「食育も含めてもう一度何かできるチャンスは無いか」という時に、オリーブオイルソムリエコース第51期に、コースアシスタントとして参加するチャンスに恵まれ、これは復習も含めて良い勉強になるのではという事で、今回アシスタントとして参加いただきました。

今回のコースで使用する全てのオイルを選んでくれた裕子さん、途中でわからなくなった時も有ったそう。

それは、自分が生徒として味見だけをしてたのとは全く違い、授業内容に沿って生徒さんたちに分かってもらう為に選ぶという事は、いいものばかりの選択も出来ない中での創意工夫もいるからです。

その中でいろんなことを再認識したそうです。
オリーブオイルの種類と質、そしてオリーブオイルの本領を発揮するのは、やっぱり食べ物とどう合わせるかと言うことが、一番大事だと。

今回、アシスタントとしてテイスティングの手伝い、食べ物との組み合わせをした中で、裕子さんがした組み合わせに、これはオリーブオイルの質の問題でなく、この食べ物とこのオリーブオイルの組み合わせで、相乗効果を出し、最高の組み合わせになっているとお褒めの言葉をいただきました。それは、裕子さんが一押ししていた組み合わせでした。

そして今、これを機にもっと勉強をし日本の方々にイタリアの美しいオリーブオイルを紹介して行きたいです。と静かに語ってくれました。

これからは裕子さんが本当のオリーブオイルとはどんな物かという事を各地で、またもしかしたらイタリアで紹介してくれるでしょう。今、目の前に道は開けたばかりこれからの活躍に期待したいです。

エキストラヴァージンオリーブオイルの搾油に新たなテクノロジー”Perform Tech”

このプロジェクトは、バーリ大学とバーリ工科大学によるもので、超音波を使い食品に含まれる

栄養成分をより効果的に抽出することが可能になるとのことで、プーリア州の主要な生産物であるエクストラヴァージンオリーブオイルの生産への応用が研究されている。

また、生産のプロセスにおいても、従来の製造ラインにくらべ、低エネルギーで搾油が可能になり、生産コストの削減にもつながるものである。

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第48期 オリーブオイルソムリエコース結果発表

2015年 7月20日から7月26日までモンテカティーニ・テルメにて行われた第48期オリーブオイルソムリエ養成コースの結果がAccademia dell’olio(アカデミア デル オーリオ)代表Andreacchio Vincenzo(アンドレアッキオ・ヴィンチェンツォ)より発表されました。 以下の方がオリーブオイルソムリエ試験に合格されました。新しいオリーブオイル・ソムリエ達は、これからの日本のオリーブオイルの将来に貢献してくれることでしょう。

合格者 佐藤 奈穂子 さん、鈴木  栄利子 さん 他

次回のオリーブオイルソムリエコースは、イタリアにて2015年10月20日
から開催を予定しております。オリーブ収穫まっただ中のイタリアでオリーブオイルの知識を深めてみませんか。
ご興味の有る方は、info@accademiadellolio.com までお問い合わせください。

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オリーブオイルソムリエ講座 体験レッスン募集のお知らせ

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いよいよ、2月24日からスタートするオリーブオイルソムリエコースで無料レッスン見学を実施いたします。
「オリーブオイルについてもっと詳しく学んでみたいけれど、ソムリエってなんだか、難しそう」そう思っている方、ぜひ一度体験レッスンをうけてみて下さ

お問い合わせお申し込みは
メール:info@accademiadellolio.com または、申込フォーム内にある電話番号まで

各レッスン定員がありますので、お申し込みはお急ぎください。

会場: 東京都千代田区神田駿河台4-4 丸中ビル4階 会議室 (御茶ノ水ニコライ堂前)

  • 千代田線「新御茶ノ水」駅  B1出口 徒歩1分
  • 都営新宿線「小川町」駅 A5出口 徒歩5分
  • 丸ノ内線「御茶ノ水」駅 徒歩3分
  • JR「御茶ノ水」駅 聖橋口 徒歩2分

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オリーブオイルソムリエ 高橋 恭子さん

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日本でも生パスタ教室に通ったり、料理留学にてフィレンツェ、パルマでイタリア料理を学んだりと、イタリア料理好きでフットワークの軽い高橋さん。イタリア語講座を受講していたイタリア文化会館で行われた、オリーブオイル講座に参加したことから、イタリア料理を学ぶ中でのオリーブオイルの重要さを知り、ますますオリーブオイルに興味がわいたそうです。そうして、『もっとオリーブオイルを知りたい』という気持ちにますます火がつき、オリーブオイルソムリエを取得したい、とイタリアへ。

受講生の中には、シェフや料理研究家、イタリアワインやイタリア語を既に勉強している他の受講生に囲まれて、コース開始直後は、『料理関係の仕事についているわけでも、イタリア語が堪能なわけでもないのに大丈夫だろうか…』と不安もあったそうですが、いざ始まってみると、同じ目的をもって集った仲間での大人合宿がとても楽しく、宿泊施設であるレジデンスでの生活は、日常を離れた新鮮な環境で、不安は一気に吹き飛んでしまったそうです。
『毎日楽しい仲間と美味しい食材、美味しいワインに囲まれていたので、なかなか試験勉強に火がつかず最後の追い込みはものすごく大変なものでした。(自業自得でしたが・・)』と、充実したイタリア生活を振り返っていただきました。

そして試験勉強では、”学生時代の国家試験勉強以来かも??”と思える程勉強に没頭。試験には全く自信がもてなかったとのことでしたが、無事に合格。自信が持てなかっただけに、合格の通知には喜びもひとしおだったとか。
ソムリエを取得してからは、テイスティングできる店舗でしか購入しなくなったり、こだわりが強くなった分今までよりオリーブオイルにお金をかける様になったことが変化だそうですが、自分のこだわりへの投資とも言えるのではないでしょうか。また周囲の人々に、オリーブオイルのよさを話すことも、大きな楽しみになったとか。

高橋さんは、普段は看護師として働いていらっしゃいます。医療現場で働いているからこそ、コース中に学んだ『医療の中のオリーブオイルの効能』はとても重要な役割を占めていることを日々実感される事も少なくないのだとか。疾病の予防以外にも、皮膚に対する保湿剤として、また管を挿入する際の潤滑油にも使用されるなど、あらゆる場面でオリーブオイルが使用されているそうです。『今後オイルの効能について患者さん達に発信し健康の普及につなげていけたらよいなと思っています。』と今後の抱負を語ってくださいました。

その他の活動として自宅にて月1回カフェを開催していらっしゃるそうで、来年からはオリーブオイルを知ってもらうためのミニ講座やオリーブオイルを使用したお料理教室などを開催も計画しているそうです。2015年1月には、オリーブオイルを子供の食生活にも取り入れる、Pane Olio(パンとオリーブオイル)の開催も予定されています。

1991年:看護師国家資格取得
2011年:イタリア文化会館東京 AISOオリーブオイル1日セミナー参加
2012年:イタリア料理留学(フィレンツェ、パルマ)
2014年:オリーブオイルソムリエ取得

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オリーブオイルソムリエ 宮下 友美さん

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イタリア料理を中心に様々な調理の仕事を経験後、(株)良品計画Cafe&Meal MUJIにてシェフとしてメニュー開発にも携わっていた宮下さん。メニュー開発では、食材にこだわる故にその食材を作る生産者を訪問する機会が多かったそうです。この経験からイタリアの食文化、そして農業にも深く興味を持つようになっていったそうです。そんな中、宮下さんの住む神奈川県二宮町で湘南オリーブの栽培が行われていることを知ったそうです。将来的にはオリーブ栽培に携わりたいという思いを持ち、イタリアでのオリーブオイルソムリエ養成コース受講を決意。

ソムリエ養成コースでは、イタリア国内においても欠陥オイルが大半である可能性が高いこと、生産者も消費者も正しい知識を持たなければならないこと、を実感したのがまず前半。日を追う毎に重ねていくテイスティングでは『様々な原因で起こる欠陥の種類を見分けることは難しかったですが、一週間の集中トレーニングで自分の味覚、嗅覚が大きく変化するのを感じました。そしてオリーブオイルの知識が深まるにつれ、その魅力にはまっていきました。』と授業を振り返ってくださいました。

帰国後、2014年4月新たに開設された“オリーブ&オイルアカデミー“の2日間に渡るオリーブ剪定コースが二宮町で開催されることを知り、『ソムリエの講習とは違った視点でオリーブ栽培の技術が学べる』と参加された宮下さん。

こちらのコースではまず、オリーブの年間の成長サイクル、剪定の意味と目的を理解するための講義を行ない、その後実際に農園で剪定実習を行います。
二宮町では10年間オリーブの栽培に携わっている(株)ユニバーサル農場の圃場にて結実の為の“軽い剪定“から大規模に仕立てのフォームを変える“リフォーム剪定“の剪定実習を行ったそうです。
『他の受講者は実際にオリーブの栽培をされている農家の方がほとんどで、皆さん慣れていらしたのが印象的。はじめは慣れない畑での作業に戸惑いましたが、木の成長を想像しながら、どの枝を切除したらよいかみんなで意見を出し合いながら行う剪定作業は楽しく、更に剪定を行った木の成長が楽しみになりました。そして剪定は知識と経験が必要な作業ですが、木を見て瞬時に枝を見極めあっという間にきれいな木に整えてしまう講師の技術はすばらしく、説明もとても分かりやすかったです』と感想を教えてくださいました。

宮下さんが受講された二宮町での授業の様子はこちら http://oliveoilacademy.tumblr.com/post/84217379842/2014-4-21-22-corso-della

今後も、オリーブ普及活動に加えてレストラン等でもソムリエとしての活動の幅を広げていきたいとのことです。

プロフィール
東京都出身 神奈川県大磯町在住
調理師専門学校卒業後、イタリア料理、日本料理、ベトナム料理店で、約10年間調理の仕事に携わる。その後、独立を目指しカフェ店長、シェフとして4年間働いたのち、渡伊。
2014年1月AISOJAPAN イタリアオリーブオイルソムリエ 取得
2014年3月AISイタリアワインソムリエ 取得
2015年和歌山県にて、レストラン開業に向け準備中

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オリーブオイルセミナー大阪 詳細発表

AISO  JAPAN / Accademia dell’olio では卒業生の皆さんを対象としたブラッシュアップセミナーを開催致します。オリーブオイルについて学んだ内容をさらにブラッシュアップさせるチャンスです。また、卒業生の方以外でもご参加いただけますので、お誘い合わせの上ご参加ください。

講師: レオナルドカタニャーノ氏 (Dott Leonardo Catagnano ) 初来日!!
農学士、パネルリーダー(鑑定士)、現職シチリア州農業食品リソース役員
地中海栽培、オリーブ栽培専門ユニット管理者
豊富な知識と最新の情報をお持ちで、かつ講義の内容がとても面白く魅力的であると定評がある先生です。

セミナーはイタリア語で行われますが、日本語通訳がつきますので言葉の心配は不要です。

セミナーテーマ

シチリア州の希少新品種について/高品質のオリーブオイルづくりに求められる要素
※セミナーテーマは、講師都合により一部変更になる可能性があります事を予めご了承下さい。

 

会場
イタリア文化会館 大阪
〒530-0005 大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー17階
http://www.iicosaka.esteri.it/IIC_Osaka
※お申し込み受付は、Accademia dell’olio で行いますので、イタリア文化会館へのお問い合わせはご遠慮ください。

費用: AISO JAPAN 会員 2000円

2014年分会費が未納入の方は、2015年分更新料金として8000円が別途必要になります。
2014年会費が納入済の方: 2013年9月~2014年7月までにオリーブオイルソムリエ講座を
受講された方。または、2013年9月、2014年4月に東京にて行われたオリーブオイルソムリエ養成講座にアシスタントとしてご参加いただいた方になります。

卒業生以外の方もご参加いただけますが、AISO JAPAN会員向けの講座となりますので、入会が必須となります。

プログラム

8月30日(土曜日)

9:45 – 受付開始
10:00-12:30 セミナー ※数種類のオリーブオイルテイスティングを含む予定です
12:30-12:45 質疑応答
12:45-13:00 修了書授与 既にソムリエ講座を受講の方で、修了書を未受領の方で当日ご参加の方へ修了書の授与を行わせて頂く予定です。対象の方はふるってご参加ください。

※尚、同日午後14:00-17:00の予定にて、オリーブ栽培技術者向けのセミナーも別途開催を予定しております。テーマは、「オリーブオイルの品質に影響を与える技術的要素(農業、搾油)」「最新オリーブオイル搾油テクノロジー」のいずれかを予定しております。

お申し込み方法

メールにて、お名前、当日の緊急ご連絡先、希望参加セミナー、オリーブオイルソムリエコース受講期(お分かりになれば)をお知らせください。複数名でご参加の場合は、代表者様よりご連絡ください。その際は、同時申込者様のお名前、合計人数を合わせてお知らせください。その後お支払いの方法をご案内致します。

メール info@accademiadellolio.com

お申し込み締め切り

8月26日 手配の都合上一度8月26日までにお申し込みください
それ以降は、空き状況によりご案内が可能ですので、お問い合わせください。
尚、お申し込み人数が定員に達しましたら、それをもって締め切りとさせていただきます。

共催: Japan Sommelier Olive Oil / Olive & Oil Academy

協力: イタリア文化会館 大阪

尚、東京でも同テーマにて、9月1日に開催を予定しております。近日詳細発表。

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43期オリーブオイルソムリエ養成講座 結果発表

CIMG27092014年7月21日〜26日 イタリア  モンテカティーニにて行われた第43期オリーブオイルソムリエ養成コースの結果がAccademia dell’olio(アカデミア デル オーリオ)代表のAndreacchio Vincenzo(アンドレアッキオ ヴィンチェンツォ)氏より発表されました。 以下の方がオリーブオイルソムリエ試験に合格されました。新しいオリーブオイル・ソムリエ達は、これからの日本のオリーブオイルの将来に貢献してくれることでしょう。

合格者 稲田 周子さん、上田 靖子さん、大西 直子さん、片小田 英之さん、黒澤 こと美さん、高橋 恭子さん、玉村 かほりさん、村尾 真幸さん、Downey Reiko さん

 

次回のオリーブオイルソムリエコースは 日本にて2014年9月1日より
イタリアにて、2014年10月20日よりのの開催を予定しております
ご興味の有る方は、info@aisojapan.com  までお問い合わせください

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フィルター or ノンフィルター !?

イタリアの生産者の間でも意見が分かれる事が多い、フィルターの有無について…

オリーブオイルを変質させず、そのままボトル詰めをする前の保存段階で保存する為には,という点についてはオリーブオイル業界の中では常に議論されてきた事である。

オリーブオイルの保存については、外的環境として理想的な環境においておく事、そして容器は、できることならばステンレスの容器で、モニタリングと調節ができ、酸化や変質によりオリーブオイルの持っている化学的、官能的、物理的性質を変化させてしまうような状況を防ぐのがベストである。

olio-verde 保存の間に起こりうる変質としては、脂肪酸の酸化が最も多く、ペルオキシド(過酸化物)が形成される。成分の破壊により、揮発成分が発生し、オリーブオイルの中で栄養補助(機能性補助)の役割のある成分が修正されてしまう。それ以外にも、酸化した欠陥である”ランチド”を招き官能検査で知覚されるようになってしまう。オリーブオイルの浮遊物、または保存容器の底にたまる澱が嫌気性発酵すると、化学官能的にも劣化してしまい、乳酸菌のClostridium(クロストリジウム属菌)
による発酵が起こりモルキアの欠陥を産み出す。

オリーブオイル生産の機械設備の技術イノベーションは進んでいるが、遠心分離による油分と水分の分離は十分ではなく、結果的に自然の不純物(果肉の繊維、コロイド成分、水分等)を取り除く事はできず、油分の中に懸濁した状態、またはミクロエマルジョンの形で残存し、オリーブオイルの性質を変質させ、濁って、ぼんやりとした状態になる。

この最後の側面は、残念な事に正しい知識のない消費者にとっては、”自然な商品”であることの証のように思われ、自然が持っている栄養成分等がそのまま保たれると思われている、しかしながら、実際には知覚的な質という意味では、取り返しのつかない効果が産み出されてしまうのである。

まず、保存の最初のステップとして、オリーブオイルの保存条件設定とも言える作業としては、移し替えとフィルターがある。

澱の除去

澱の除去は、先述の様に、水分、タンパク質と窒素が、酵素反応と発酵を引き起こし、それにより知覚的に欠陥と認識させる状況を引き起こす。(発酵、モルキア,腐敗、アッヴィナート酢酸化した臭い等)モルキア(油の搾りかす、澱)と、オイルの接触は、オリーブオイルの酸価度の上昇を引き起こすことにもつながる為、最終的な保管の前に、不純物を取り除くために、繰り返し移し替えを行うべきである。繰り返し移し替えを行う場合は最新の注意を払う。移し替えに使うポンプの影響でオリーブオイルの中に、気泡が作られないよう注意する。またこの作業を行う際には、容器とパイプの衛生状態にも注意が必要である。前に行った移し替え作業のオリーブオイルや残滓の影響を受けて、移し替えをしているオリーブオイルの、化学官能的な特徴に変質が起こるような事があってはならない。除去検査をする際に、気泡が起こるような作業を行わず、下層部に開口弁を設置し除去した澱が開口弁から流れ出るように底が円錐の形をしている容器だとリスクが少ない。経過判断や移し替えを続けるか否かの判断には、道具をつかってオイルに含まれる水分と不純物を計測する。

オリーブオイルの、油脂の部分と底に沈殿するおりの部分の分離は、オリーブオイルの中に含まれている成分と、保存の外的環境によって変わる。コロイド状の不純物と、水分は、搾油の方法や、粘性(脂肪酸とトリグリセリド)、オリーブの品種、オリーブの成熟度によって、おおよそ早く沈殿する。保存環境の気温が低いと、オリーブオイルが凝固し、結晶化される。続いて,気温が上昇すると、トリグリセリドが溶解し、容器の底に結晶に包まれた状態で搾りかすとして沈み、ゆっくりと溶けていく。温度の上昇が急な場合は、オリーブオイルは濁ったままである。

凝固に影響を与えるもう一つの要因は遊離脂肪酸:給水性のコロイドの凝固が多い場合にはより早く、遊離脂肪酸の値が非常に低い場合は逆のプロセスが起こり、その場合はオリーブオイルは長い間濁った状態のまま残る。澱の除去というのは、一度または複数回、容器を移し替える事により行うものであるが、多くの場合は、オリーブオイルの知覚的特徴の安定性を保証することにはならない。オリーブオイルがボトルや缶に移し替えられる前に化学知覚的品質が危険にさらされることに影響を与え、その後のシェフルライフ、つまりは、その製品が容器詰めされた後に貯蔵される期間の安定性に、影響があるといえる。容器詰めされた後のオリーブオイルが大手のチェーンなどに流通する場合は、特にそうである。だからこそ、容器詰めをする前に、状態を検査することは重要であり、特に、オリーブオイルの移し替えを行った状態でストックをしていた場合には、オリーブオイルの知覚(フレーバー)、化学物理的な変質の有無を確認するべきである。

他の手段

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代替作業や、移し替えの補完ということになると、フィルターをかけるというのが良く行われる作業で、目的に応じてフィルターのタイプを使い分ける。繰り返し移し替えを行った場合でも、微小なフェノール成分が分子レベルで油脂の中に溶けた状態で存在している。フィルターは、”表面的な”濾過、と”本質的な”フィルターに分ける事ができる。

一つ目の方法としては、フィルター自体が、多孔質の計上をしており、オリーブオイルの表面に浮遊している微小成分がフィルターに外部によって取り除かれる方法、もう一つは、フィルターが、抜け道のある多孔質の素材でできていて、オリーブオイルはそれを通過するが、固形成分や、コロイド状の部分がフィルターの内部の吸収素材にとりこまれるという方法である。オリーブオイルの化学物理的特徴という点に立ち、フィルターは両方の(表面的、本質的)目的に対処することができる為、実践でよく使われるものの違いは、使われるフィルターの素材によるところが大きい。

脱脂綿や、吸水性の綿のフィルターでは、濾過は遅く不連続であり、マクロ分子や粗い固形分のみが濾され、オリーブオイルが長い間空気に接触してしまう。このシステムでは、他のタイプと大きく異なる点として、オリーブオイルのフェノール成分に関連する知覚的特徴に、大きな修正が生じない、という点であろう。

珪藻土を使ったフィルターの場合は、薄い紙状のものを使ったプレスフィルターで、清澄化濾過を続けて行う事により、大量のオリーブオイルを濾過する事ができる。このタイプのフィルターは、珪藻土の部分で多量のフェノール成分が吸収される。

セルロース材をつかったプレスフィルターの場合は、濾過作業は、一度で行う事ができ、珪藻土を使って濾したオリーブオイルの清澄濾過としても使う事ができる。オリーブオイルのタイプや、混濁の度合いにより、セルロース100%か、他の素材や珪藻土を混合したタイプを使い分ける。

少しずつ普及してきているフィルターの方式として,袋状のフィルターとを使うものがある。機能性と、メンテナンス性もあり期待ができるもので、オリーブオイルの中にガスを注入することによって使われる方法である。このタイプは、非常に高い透明度を維持する事ができるとともに、自然のフェノール成分を過剰に濾過してしまう事がない。

フィルターをかけている間、長時間空気にさらされている事により、過酸化物価が上昇、フェノール成分や揮発成分の部分的な酸化が引き起こされる。これらのリスクを制限する為に、空気との接触を防ぎ、閉じたステンレスのシリンダーの中に、カートリッリ式のフィルターを使う方法や、窒素を注入した状態で空気中の酸素を除去してフィルターを行う方法等もあり、これらは、容器詰めをする段階で、大きな貯蔵安定性を示すことになる。

Agricoltura24より抄訳

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オリーブオイルソムリエ 金子周平さん

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魚介を中心としたイタリア料理店のオーナーシェフでいらっしゃる金子さん。

イタリア料理に長年携わってきてオリーブオイルを普通に使ってきた中で、『オリーブオイルがどうやって作られ、そしてオイルごとにある様々な違いなど詳しい事を知らない』ということにふと気付いたたそう。

そんなイタリア料理と切っても切れないオリーブオイルについて勉強したいと思い、オリーブオイルソムリエコースを受講されました。

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コースの受講後、一番の変化したのは、”オリーブオイルの買い方”。というのも、オリーブオイルの状態や味はラベル情報だけでは分からないことがほとんどで、実際に購入してみて、試してみるのが一番。結果、色々な種類のオリーブオイルを購入して試行錯誤をすることも、一つの楽しみになったと同時に、そんな経験を重ねて、よりオリーブオイルに対するこだわりが強くなったとのこと。

現在は、オーナーシェフとしてお客様にオリーブオイルのさまざまな違い、品質を伝え、オリーブオイルの美味しさを知ってもらえるように、心がけていらっしゃるのだとか。「今後は販売も視野に入れて、オリーブオイルについて、更により多くのことを伝えていきたい」とのことでした。

プロフィール
ピエモンテにて料理修行後
2011年から Seafood Italian  FUCA オーナーシェフ
ホームページ:www.fuca.biz
ぐるなび:http://r.gnavi.co.jp/n992600/
FB:https://www.facebook.com/pages/FUCA/206521762755285

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