消費者のオリーブオイル購入1ユーロあたり、農家に残る収入は0,35ユーロ

RIMG3859マージンは非常に低く、農家や家族経営の仕事は報われない。イタリア農業ISMEA (Istituto di servizi per il mercato agricolo alimentare)が、Mipaaf(イタリア農林食糧政策省)の助成により行ったイタリアオリーブ栽培-オリーブオイル業種の分析を行ったことにより明らかになった。分析によると、オリーブ収穫に過大な手作業が必要となる事、行程の過度な細分化、つまり生産者、フラントイオ(搾油者)、精製業者、梱包業者、流通者と生産の行程が各業者に分散しすぎている事により、構造的に外部からの主原料供給に依存しており、農業従事者にとっては特に困難な状況、それに続いて経営にも響いてくる。

Exif_JPEG_PICTUREエクストラヴァージンオリーブオイルを家庭で購入する1ユーロあたり、0,14€が最終的な流通業者に、約0,20€がオリーブ栽培者に、0,03€が搾油、梱包、卸業者などに落ちていく。実に0,25€が海外に流れており、これは、海外で作られたエクストラヴァージンオリーブオイルがイタリアに輸入されてイタリアにて梱包される場合を指す。一方で残った0,34€は、生産に直接的に関わる部分ではない間接的なプロセス、電力、化学製品、金融資金サービスなど。

オリーブ販売をした場合については、0,20€が企業に、そのうち、0,09€は従業員の給与など、0,07€ が原価償却に。いわゆる利益(控除前税額にて)は、経営者に残るのは、0,035€となり、いわゆる給与どころか、労働対価としても満たない。

RIMG3766 実際に、家族労働を明確に労働に対する給与として算定すると、マイナスに成ってしまう(-0,074€).この分析自体は、原材料から製品になり販売されるまでのプロセスで、関係者にどのように価値が分散されているかをダイナミックに捉え分析することを目的にしており、分析は垂直的に生産販売を行っているケース、つまり実際にオリーブ関係の業種には多く存在している様に、一連のプロセスのなかで、農業生産から消費者への販売までを一括で行うような場合は、計算されておらず、そういった場合には価値を上昇させる事が可能である。

ISMEA News/Reportより抄訳