イタリア料理を中心に様々な調理の仕事を経験後、(株)良品計画Cafe&Meal MUJIにてシェフとしてメニュー開発にも携わっていた宮下さん。メニュー開発では、食材にこだわる故にその食材を作る生産者を訪問する機会が多かったそうです。この経験からイタリアの食文化、そして農業にも深く興味を持つようになっていったそうです。そんな中、宮下さんの住む神奈川県二宮町で湘南オリーブの栽培が行われていることを知ったそうです。将来的にはオリーブ栽培に携わりたいという思いを持ち、イタリアでのオリーブオイルソムリエ養成コース受講を決意。
ソムリエ養成コースでは、イタリア国内においても欠陥オイルが大半である可能性が高いこと、生産者も消費者も正しい知識を持たなければならないこと、を実感したのがまず前半。日を追う毎に重ねていくテイスティングでは『様々な原因で起こる欠陥の種類を見分けることは難しかったですが、一週間の集中トレーニングで自分の味覚、嗅覚が大きく変化するのを感じました。そしてオリーブオイルの知識が深まるにつれ、その魅力にはまっていきました。』と授業を振り返ってくださいました。
帰国後、2014年4月新たに開設された“オリーブ&オイルアカデミー“の2日間に渡るオリーブ剪定コースが二宮町で開催されることを知り、『ソムリエの講習とは違った視点でオリーブ栽培の技術が学べる』と参加された宮下さん。
こちらのコースではまず、オリーブの年間の成長サイクル、剪定の意味と目的を理解するための講義を行ない、その後実際に農園で剪定実習を行います。
二宮町では10年間オリーブの栽培に携わっている(株)ユニバーサル農場の圃場にて結実の為の“軽い剪定“から大規模に仕立てのフォームを変える“リフォーム剪定“の剪定実習を行ったそうです。
『他の受講者は実際にオリーブの栽培をされている農家の方がほとんどで、皆さん慣れていらしたのが印象的。はじめは慣れない畑での作業に戸惑いましたが、木の成長を想像しながら、どの枝を切除したらよいかみんなで意見を出し合いながら行う剪定作業は楽しく、更に剪定を行った木の成長が楽しみになりました。そして剪定は知識と経験が必要な作業ですが、木を見て瞬時に枝を見極めあっという間にきれいな木に整えてしまう講師の技術はすばらしく、説明もとても分かりやすかったです』と感想を教えてくださいました。
宮下さんが受講された二宮町での授業の様子はこちら http://oliveoilacademy.tumblr.com/post/84217379842/2014-4-21-22-corso-della
今後も、オリーブ普及活動に加えてレストラン等でもソムリエとしての活動の幅を広げていきたいとのことです。