Made in Japan オリーブオイル

エキストラヴァージンオリーブオイルといえば「Made in Italy」と誰もが思う。 しかし、Made in Japaもあるのだ。

日本を代表する京都府の宮津市でもオリーブの栽培が始まっている。宮津市といえば、京都の北部に位置し世界で最も美しい湾のうちの一つ「天の橋立」で有名な地。天の橋立は約3Kmに渡る砂で、8000本程の松林が生える名勝地である。

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オリーブ栽培は2014年に始まり、今では700本程のオリーブが植えられている。品種は様々、ネバディロブランコ、マンザニッロ、ミッション、ルッカが主。そして、2016年にはイタリアでも馴染みの品種も植えられた。フラントイオ、レッチーノ、レッチョデルコルノ、イトラーナ、ペンドリーノ等。

日本でのオリーブ栽培で課題となってくるのは、日本独特の気候条件。湿気が多く、6月から7月にかけての梅雨、そして9月にかけての台風である。宮津市は、日本海側に面してはいるものの、湾内にあるため、オリーブ栽培に理想的とは言い難いそれらの気候環境が若干緩和されているといえよう。実際に、現時点では大きな問題もなくオリーブ栽培が進んでいる。

日本のオリーブ栽培地では、「オリーブ茶」を作ることが多い。イタリアでは大昔には使われていたとのことだが、今ではほとんどオリーブの葉を利用したお茶は飲まれないのにもかかわらず、だ。やはり、日本には「お茶」文化が根付いているからこそ、オリーブの葉を利用することが考えられたのだろう。味は、ほろ苦くほのかな甘みが感じられる。

14725730_1118183978231584_8113019695085787838_n今回、味見をしたオリーブオイルは、ミッション種で作られたもので、日本へは1908年にアメリカから上陸した品種である。カリフォルニア原産の品種で、10月から11月中旬に熟し、日本では多く栽培されている。収穫はもちろん丁寧に手摘みで行われている。

オリーブオイルの色は、まるで日本の繊細なお抹茶のようなエメラルドグリーン。香りは強くはないが、控えめな華やかさを身にまとっている。ピリッとした辛味のあるルッコラや、刈ったばかりの草、黒胡椒、青りんご、そして白いフレッシュなアーモンドのような心地良い香りで満たされる。

オリーブオイルを口に含むと、グリーンペッパーのような感覚が広がる。まるで青々しいフレッシュなオリーブオイルをたっぷりとかけたルッコラのサラダをそのまま口に入れているかのよう。持続性は長くはないが、口の中には、とても好ましい辛味が軽く残り、繊細なグリーンの余韻がある。点数は、88/100点。

料理とのマリアージュでおすすめしたいのは、青魚の刺身。脂ののった鯖や鯵、鰯などとの相性が抜群。オレンジやみかん等柑橘をつかったサラダに胡椒でアクセントを効かせたものとも相性が良さそう。イタリア料理で合わせるならば、野菜のミネストローネや豆のスープなど。ほのかな甘みがある料理に、オリーブオイルが軽いアクセントになり、味わいが一層引き立つ。

AIS(イタリアソムリエ協会)HPへAccademia dell’olioが寄稿した記事の日本語訳です