腎臓病に白ワインとオリーブオイル

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医師の指導のもとの適量の白ワインの摂取は腎臓病患者(腎炎/慢性腎臓病)の炎症を減少させることにつながる可能性。ミラノ大学がBlood Purification誌に発表したもので、白ワインとエキストラヴァージンオリーブオイルを組み合わせるとより効果があるのだそう。分析は、Viareggioにある病院で行われて、腎臓病の患者10名と、健康な10名の比較が行われた。

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対象者は、通常赤ワインを消費する人たちであったが、それをスーパーマーケットなどで手に入る適切な価格帯の白ワインに置き換え、医師の厳しい監督のもと摂取するという実験を行った。15日間ワインを抜いたあと、1日にグラス2-3杯の白ワインを摂取するグループと、白ワインとエキストラヴァージンオリーブオイルを一緒に摂取するグループに分けて行われた。研究グループの1人、Alberto Bertelli氏によると”腎臓病患者が白ワインの消費により、炎症マーカー IL6(インターロイキン6)PCR(C反応性蛋白)の値に、15日間で約40%の減少が見られた。食事の中にエキストラヴァージンオリーブオイルをとりいれることのポジティブな結果を表していると言える。この減少の理由としては、エキストラヴァージンオリーブオイルと白ワインの中に含まれるモノフェノール(チロソールとヒドロキシチロソール)による効果と考える事ができる。更に多くの患者数を症例にとり研究を続ける価値があるといえる。また、現時点でも適度な白ワインの消費は、このタイプの病気では、ポジティブな作用が見られるということは、すでに厳しい食事制限をしている患者にとっては、日常生活の改善にもつながるとも言えるだろう。”

※正確な情報については原文をご参照ください

ANSA より抄訳

 

オリーブオイルソムリエ 高橋 恭子さん

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日本でも生パスタ教室に通ったり、料理留学にてフィレンツェ、パルマでイタリア料理を学んだりと、イタリア料理好きでフットワークの軽い高橋さん。イタリア語講座を受講していたイタリア文化会館で行われた、オリーブオイル講座に参加したことから、イタリア料理を学ぶ中でのオリーブオイルの重要さを知り、ますますオリーブオイルに興味がわいたそうです。そうして、『もっとオリーブオイルを知りたい』という気持ちにますます火がつき、オリーブオイルソムリエを取得したい、とイタリアへ。

受講生の中には、シェフや料理研究家、イタリアワインやイタリア語を既に勉強している他の受講生に囲まれて、コース開始直後は、『料理関係の仕事についているわけでも、イタリア語が堪能なわけでもないのに大丈夫だろうか…』と不安もあったそうですが、いざ始まってみると、同じ目的をもって集った仲間での大人合宿がとても楽しく、宿泊施設であるレジデンスでの生活は、日常を離れた新鮮な環境で、不安は一気に吹き飛んでしまったそうです。
『毎日楽しい仲間と美味しい食材、美味しいワインに囲まれていたので、なかなか試験勉強に火がつかず最後の追い込みはものすごく大変なものでした。(自業自得でしたが・・)』と、充実したイタリア生活を振り返っていただきました。

そして試験勉強では、”学生時代の国家試験勉強以来かも??”と思える程勉強に没頭。試験には全く自信がもてなかったとのことでしたが、無事に合格。自信が持てなかっただけに、合格の通知には喜びもひとしおだったとか。
ソムリエを取得してからは、テイスティングできる店舗でしか購入しなくなったり、こだわりが強くなった分今までよりオリーブオイルにお金をかける様になったことが変化だそうですが、自分のこだわりへの投資とも言えるのではないでしょうか。また周囲の人々に、オリーブオイルのよさを話すことも、大きな楽しみになったとか。

高橋さんは、普段は看護師として働いていらっしゃいます。医療現場で働いているからこそ、コース中に学んだ『医療の中のオリーブオイルの効能』はとても重要な役割を占めていることを日々実感される事も少なくないのだとか。疾病の予防以外にも、皮膚に対する保湿剤として、また管を挿入する際の潤滑油にも使用されるなど、あらゆる場面でオリーブオイルが使用されているそうです。『今後オイルの効能について患者さん達に発信し健康の普及につなげていけたらよいなと思っています。』と今後の抱負を語ってくださいました。

その他の活動として自宅にて月1回カフェを開催していらっしゃるそうで、来年からはオリーブオイルを知ってもらうためのミニ講座やオリーブオイルを使用したお料理教室などを開催も計画しているそうです。2015年1月には、オリーブオイルを子供の食生活にも取り入れる、Pane Olio(パンとオリーブオイル)の開催も予定されています。

1991年:看護師国家資格取得
2011年:イタリア文化会館東京 AISOオリーブオイル1日セミナー参加
2012年:イタリア料理留学(フィレンツェ、パルマ)
2014年:オリーブオイルソムリエ取得

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オリーブの種から未来のプラスティック

th__4_-13659-250-200-90-cオリーブの種から未来のプラスティックが作られる。種を粉末状にしたものは、リグニン、ヘミセルロース、セルロースなどの成分を含み、ポリプロピレンを作るのに適している素材だといえるのだそう。

チュニジアSfax大学、スペインGirona大学のジョイントベンチャーの研究では、オリーブの種の粉末を使い、含有量を様々に変化させて、射出形成のプロセスを使い、ポリプロピレン素材を作ることに成功した。出来上がった素材は、素材性能や、衝撃耐性や、水分吸収などの様々な試験を通じて分析。この結果、オリーブの種粉末から作ったポリプロピレンは、工業用途に使うだけの性質を持つ。

オリーブ種粉末を60%まで使ったものは、少なくとも他の素材からつくったプラスチックと工業用途において全くひけをとらず、オリーブ種粉末の利用はプラスチックの生産コストを低下させるであろう。

Ecoseven.net

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今シーズンイタリア人一人当たりのオリーブオイル量は?!

vignettaイタリアの農業にとっては、最悪の年。made in italyのエキストラヴァージンオリーブオイルの取り合いが早くも始まっている。

Unaprolの経済分析によると、本当の品質のいいエキストラヴァージンオリーブオイルはイタリア人1人当たり3ボトルの計算。今年のオリーブ収穫量は、11月初旬に発表された予想データよりも,更に下回る予想。

イタリアでは、2014年1月から9月の間に大手流通を経由して販売されたエキストラヴァージンオリーブオイルは、約107,000,000リットル(437,000,000ユーロ相当)平均価格は4,08€/リットル、68%がセールなどで販売された(IRIデータによる) 2014/2015の販売については、100%イタリア産のオリーブオイルを巡っての奪い合いは必至。

今シーズンの生産予測量は3,000,000トン(10月末ISMEA,Unaprol, Aifo他による予測データ)と言われており、ほぼ確実にさらなる下方修正がされると言われている。今年の生産量からみたイタリア人一人当り(60,000,000人)の割当は、単純計算をするとオリーブオイル5Kg(5,45リットル)、オリーブオイル生産量の約65%がエキストラヴァージンオリーブオイルにあたるので、一人当たりのイタリア産エキストラヴァージンオリーブオイル消費量は、3,25リットル。通常の生産量の年(2013)の1人あたりの消費量は、10,8Kg(11リットル)のオイル、約7リットルのエキストラヴァージンオリーブオイルである。

Unaprol より抄訳

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オリーブオイルソムリエ コースディレクター 稲田周子さん

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美術館に勤務しながら、カルチャースクールで初学者向けにイタリア語を教えていらっしゃった稲田さん。そんな中、”イタリア語に加えて、イタリア文化に関することでさらに強みになる何かが欲しい、そして今後イタリアに関連する仕事で食べていけるようになりたい”と、オリーブオイルソムリエを目指すことに。
 オリーブオイルには昔から興味があったことに加え、学生時代に通っていたイタリア語学学校で開催されたオリーブオイルの試食会に出席。「”パンと一緒に食べたトスカーナのオリーブオイルの鮮烈な苦みと辛み”が、今まで食べたことのない風味で、日本にいながら一気に心がイタリアに飛んでいったのを今でも鮮明に覚えています」と語ってくださいました。
 ソムリエ養成講座を終えて、オリーブの土着品種を知れば知るほど、イタリア全土の気候や地形への興味がさらに強まり、無意識に野菜や果物の匂いを嗅いしまうようになったとのこと。そしてご自身の中で意識が一番変化を感じたのは”食と健康に対する意識”だそうです。オリーブの化学分析や健康とオリーブオイルの授業では専門用語が多く、決して簡単ではなかったですが、専門知識を身につけることで、どうしてオリーブオイルが体に良いとされているのか理解が深まり、家族や友人を始め、多くの人にオリーブオイルの良さを伝えたい、という思いを新たな観点からも再確認することにつながったとのことです。
 2014年7月オリーブオイルソムリエ資格取得後、 ソムリエコースだけでは物足りなく感じたことと、まとまった休みが取れたというタイミングも重なり、2014年9月に開催された日本でのソムリエ養成講座でディレクターコースを受講。ディレクターコースではコース運営の立場から授業を円滑に進める為のスタッフ側の準備の必要性を痛感。授業の内容に合わせたオイルを選ぶのも難しく、”オリーブオイルは日々呼吸し変化する植物の分身”と、思った強く感じたとのこと。
また、テイスティングや食材との組み合わせの試食会では、最適な状態でオイルを判断するために、タイミングを見計らってオイルや食材の準備をすることなど、瞬発力や柔軟さも十分に発揮して、大活躍していただいました。
「アシスタントとして来て下さる歴代の先輩ソムリエやディレクターの方々が、一人あたふたしている私をフォローしてくださり、とても心強かった」と振り返っていただきました。”ソムリエコースで一緒だった同期も大切な仲間ですが、期を超えて日本で活躍しているオリーブオイルソムリエの方たちとお知り合いになれたのも、思いがけず嬉しい出来事でした。”と、日本のコースならではの出会いもあったそうです。
”今後は、イタリア好きのジャンルを超えて、たくさんの方にオリーブオイルの魅力を知っていただけるような活動を広げ、日本でもっとオリーブオイルが身近な食材になるにはどうしたら良いか考えていきたいです。”と抱負をお話しいただきました。
=略歴=
イタリアへの留学、インターンシップを経てイタリア語講師として活躍。
2014年7月第43期オリーブオイルソムリエコース受講
2014年9月第44期オリーブオイルソムリエコースにてディレクターコース受講
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