不朽の名声、地中海の象徴、イタリアらしさの象徴といってもいいだろうか…..
かるくトーストをしたひとかけらのパンをベッドに、黄緑色のシーツがパンの白さを黄緑色にそめていく…草のような、野菜のような、そして絞り立てのオリーブの香りを漂わせながら….
イタリアでは、特にオリーブの収穫の時期にはよく目にする情景、生まれたてであるが故に、その美しく輝く緑色のオリーブ清く純真(それも極上に!)で、短い秋の気配を感じさせてくれる。しかし、”PaneOlio-パンとオリーブオイル- “は、そんなイタリアではなく、日本で起こっている。
日本には、いわゆるその食の伝統の中では、エキストラヴァージンオリーブオイルは存在しない、オリーブの栽培はまだ姿を現したばかりである。しかし、日本人は、食材のナチュラルさ、健康に良い食事に非常に敏感であるところから、エキストラヴァージンオリーブオイルは、そのチカラゆえに非常に注目されているのである。
そして、”PaneOlio-パンとオリーブオイル- “が生まれた。今年、日本である事は言うまでもないが、香川県小豆郡で開催された。イベントは、Accademia dell’olio(アカデミアデルオーリオ)によって開催された。アカデミアデルオーリオは、イタリアと日本において、数年前から日本語で、エキストラヴァージンオリーブオイルについての教育と養成を行い、”オリーブオイルソムリエ”を養成する機関である。
今回行われたのは、四国は香川県の保育園に通う子供たちに行われた。子供たちは喜び、日本とイタリアという、遠くは慣れた異なる食文化を持つ二つの波が交わりあい調和をもってぐっと近くなった瞬間であった。「オリーブオイルをパンにかけて食べるという食べ方だけではく、その豊かな香りや味…子供たちにとってなじみのない食べ物ではあるけれども、子供らしい無垢な純真さで食べている様子に、本当に感動しました」とアカデミアデルオーリオ。
このイベントに参加してくれた子供たちは、120人。イベントの締めくくりとして、エキストラヴァージンオリーブオイルの健康への良さ、そのナチュラルさを訴求する目的で、イタリアの健康省 (www.salute.gov.it) より発行されている、一日あたりのエキストラヴァージンオリーブオイルの理想摂取量が記された小冊子の抜粋が家庭に配布された。オリーブオイルの消費の問題に草の根に直接働きかけた素晴らしいイベントとなった。何よりもまず第一に教育は重要といえる。
